中国北方に、ロシアと北朝鮮に接する標高2744mの大山脈がある。その神々しい頂を漢民族は長白山と呼び、朝鮮族は白頭山と言った。頂上には天池というカルデラ湖があって、不思議なことに、地底深くの水が頂上めがけてコンコンと湧き上がり、そして溢れる。春になって結氷が緩むと、湧き水を集めて瀑布となって一挙に流れ下り麓を潤すが、その様を見た原住民たちは、天から流れくる河だと評して現地語の「ツンガリ」と呼んだ。渓流沿いにはヒグマや長白虎、アムールワニ、オオカミなど地域的に珍しい動物が生息。超有名な高麗人参、不老草、北限霊芝、チャガ、様々な漢方生薬が繁茂していて、まさに別世界である。この聖域を永久保存することを決めた中国政府は、軍隊を配備して厳重警備にあたり、大切に保護している。