酸素と体内から排出するガスとを交換する肺胞は直径約300ミクロンで約3億個ほどが集まっており、これを広げた総面積は約70平方メートルに達する。肺胞を取り巻く血管の径は5ミクロン程度で、赤血球より小さく血小板よりやや大きい。肺胞に侵入して増殖を始めたウイルスは、やがて肺胞を取り巻く微細な血管細胞にも侵入を開始する。肺胞血管が傷つくことにより次々と血小板が集まってくるのじゃが、これにはウイルスを殺傷する効果も貪食作用もない。
血小板の増加は、逆に血栓を増やすことで血液の流動性はさらに悪化。頼みのガス交換ができず酸欠となって、急速に重症化する。免疫細胞は、血管が細すぎるのと血栓の増加によってますます動きが取れなくなり、やがて肺胞は機能しなくなるんじゃ。