「腎虚」とは副腎に貯蔵すべき栄養が欠乏すること。放置するとパーキンソン病や多系統萎縮症に進行する。

腎虚とは

中医がいう腎虚とは、腎臓に貯蔵されるべき栄養が不足する状態で、これによって腎臓や副腎が機能しなくなります。顕著な例として、めまいや耳鳴りに悩まされ、加齢が加速するといわれています。
中医薬界では腎虚の要因を、食の欧米化や加工食品による影響だと懸念しています。日本ではこうした体調をメニエル病だといいますが、厳密にはその前段階にあたる栄養欠乏を知らせる警鐘で、放置していると、めまいや耳鳴りが常態化するメニエル病に、さらに進行するとパーキンソン病や多系統萎縮症という指定難病になる可能性があります。

あなたは腎虚になっていませんか？

該当が３個以上あれば腎虚
耳鳴り、めまい、肩首筋の張り、難聴、白髪進行、脱毛、精力減退、歯のぐらつき、足腰衰弱、頻尿、背筋痛、腰痛、関節痛、脱力感、不眠、不安、無気力、集中力欠如、短気、かんしゃく、口喉の渇き、よく風邪を引く、寝汗、手の平・足裏のほてり。女性では、上記に加えて生理不順、若年閉経、不妊、流産、早産、未熟児出産が加わります。子供にも、永久歯が生えない、若白髪、ショック症（いじめや登校拒否）などが心配されています。３つ以上の体調が重なる方は、まず腎虚と考えて腎臓に貯蔵すべき栄養を摂りましょう。

腎虚の原因は主に３パターン

腎虚の原因を探る（１）
将来の不安や病態に対しての恐怖心を抱くと、腎臓に付帯する副腎皮質からコルチゾールというストレス・ホルモン（ステロイド）が分泌され、不安や恐怖心を抑えようとします。コルチゾール分泌が過剰かつ長期的に続くと、安定歩行や階段の上がり降りに支障をきたす運動機能障害・うつ病・筋力低下・高血圧・糖尿病・骨粗しょう症・月経異常などの不調に陥ります。さらにストレスが進むと脳の「海馬」という部分が萎縮して脳神経細胞の代謝が減少し、認知症・多系統萎縮症・パーキンソン病という極めつけの難病に移行することになります。

腎虚の原因を探る（２）
腎虚の原因の第一は、上記の通り首筋に集まったリンパ節（ツボ）にあります。リンパ節とは、リンパ液の中の異物・病原菌・毒素などを体内に拡散させないための関所のような器官で、体内に約８００ヶ所も有りますがその１０％が上図のとおり首筋に集中しています。
リンパ液が汚濁するとリンパ節で滞留して、首筋の張りや肩凝りとなります。このまま時間が経てば内耳には汚れた粘度の高いリンパ液が過剰に溜まって、これが耳小骨や三半規管の機能に影響を与えます。これが平衡感覚を失わせ、正常な聴力を維持できなくさせることで耳鳴り、めまい、難聴、肩凝りを併発することとなります。

腎虚の原因を探る（３）
腎虚になる原因の第二は、亜鉛などミネラルイオン不足と塩分の過剰摂取です。塩とは食塩に限らず、合成色素・乳化材・合成甘味料など食品添加物を含めた化合物（塩基）の全てで、これら化学物質は腸内善玉菌を活性を阻害するので、腎臓に必要な亜鉛イオンなどのミネラルを吸収することができなくなります。第三は、運動不足です。運動によって汗をかくと、摂取した塩分や化合物は発汗によって排泄されますが、発汗が足らないと細胞や血液など体内に蓄積する。これらの蓄積は脾臓や副腎、甲状腺など内分泌に関わる臓器に障害を与える原因となる。

腎虚を克服する食事革命

腎虚は栄養不足の警告
耳鳴り・めまいを感じたら、すぐに「ああ、腎臓が栄養不足なんだ」と感じてください。そして直ぐに食事革命を急ぎましょう。メニューは以下の通りです。
〇腸活（菌類を摂取して腸内活性化）
自然界のキノコ（冬虫夏草・霊芝・きくらげ・まつたけ）、納豆、ヨーグルト（無糖）などの発酵食品
〇酵活（ミネラルを摂取して酵素活性）
自然界のキノコ（ミネラル・アミノ酸源として）、酵母、海藻、磯の魚類、貝類、小松菜、スイカ、ホウレンソウ、大自然の野草、豆類、ナッツ類、
〇抗酸（フィトケミカルを摂取して老化防止）
大自然の野草、ポリフェノール含有植物（ビルベリー・赤ブドウ）、トマト、ブロッコリー、ニンニク、ホウレンソウ、香草、バジル、パセリ、、明日葉、柑橘類の皮

腎虚を克服する生活習慣（まとめ）

症状と上手く闘うには、家族も含めて「楽しい闘病生活」を企画しましょう。好きな歌や映画や旅行など、趣味を取り入れることよってドーパミンやエンドルフィンという快適ホルモンが分泌され自然治癒力が向上して、自然と治癒に向かいます。昔から「病気は気から」と言うように先ずは気持ち、気分を回復させることを第一に取り組みましょう。

腎虚を克服するには三食３度の食事をとり、毎日１５分以上の歩行運動や室内ではスクワット運動を取り入れる。同時に精神面の休養を増やし、野外で動ける趣味を持つことが回復の近道です。
腎虚を克服するための食事は腹八分。上記したようにミネラル・良質のアミノ酸・抗酸化成分は必要。植物性タンパク・冬虫夏草・海草・豆類・水分の多い野菜（冬瓜・スイカなど）を毎日多めに摂る。塩分の多い食事・合成調味料・動物性タンパク・缶詰類・スナック類・インスタント食品の摂取を減らす。以下の漢方材料や薬膳料理を積極的に取り入れましょう。

重点チェック
身の周りのくすクスリについても総点検しましょう。特に、ステロイド系の痛み止め、痒み止め、マグネシウム系の便秘薬については腎虚の症状を進行させる要因になります。クスリの長期服用は危険なので絶対にやめましょう。医師の処方に従って、短期的・限定的に服用してください。