前漢時代(紀元前206~8年)に編纂された史記を参考にして冬虫夏草のルーツを探ってみた。
史記は司馬遷によってまとめられた中国最古の歴史書として名高い。漢民族初代の皇帝・黄帝(紀元前2500年代)から前漢の武帝に至までの31人の皇帝王侯に関する歴史に残る所業が記述されているが、その中に登場するのが秦王朝を建国した始皇帝である。司馬遷がまとめた史記118巻・淮南衝山列伝には、始皇帝について次のような記述が残されている。
衰退した周王朝を倒したのは、咸陽の豪族で政(ジェン)という若者である。13歳で秦王朝を打ち立て初代皇帝に即位(紀元前246年)して「始皇帝」と称され、強大な国家を建設した。漢民族初となる中央集権国家を目指して思想統制を図り、貨幣・文字・度量衡を統一するなどして国家を政治的に管轄した。外にも、北方から侵略してくる匈奴に備えて万里の長城を築いたり、都・西安には西方民族の奇襲を防ぐために壮大な兵馬俑を備える。